「響」「山崎」「白州」は、いずれもサントリーを代表するジャパニーズウイスキーです。どれも人気が高く価格帯も近いため、「何が違うの?」「最初の1本はどれがいい?」と迷う方も多いでしょう。

いちばん大きな違いは、**山崎と白州は「シングルモルト」、響は「ブレンデッド」**という点です。山崎と白州はそれぞれひとつの蒸溜所の個性を味わうウイスキー、響は複数の蒸溜所の原酒を組み合わせて調和を楽しむウイスキーです。この記事では、まず「シングルモルト」と「ブレンデッド」の違いを押さえたうえで、3本の味わい・飲み方・価格を比べます。

ひと目でわかる響・山崎・白州の違い

響 JAPANESE HARMONY山崎白州
種類ブレンデッドシングルモルトシングルモルト
原酒山崎・白州のモルト原酒+知多のグレーン原酒など山崎蒸溜所のモルト原酒白州蒸溜所のモルト原酒
香りローズやライチのような華やかな香りいちごやさくらんぼのような甘い香り若葉や青りんご、ミントのような爽やかな香り
味わいはちみつのような甘さ、やわらかく調和がとれている甘くなめらか、ミズナラ樽の香り爽やかで軽快、ほのかにスモーキー
個性の強さおだやかはっきりはっきり
度数43%43%43%
向く飲み方ストレート、水割り、ハイボールハイボール、水割り、ストレートハイボール(ミントを添えても)

ひとことで言えば、バランスとやわらかさなら響、甘さと華やかさなら山崎、爽やかさとキレなら白州です。

そもそも「シングルモルト」と「ブレンデッド」は何が違う?

3本の違いを理解するには、ウイスキーの「原酒」の種類を知っておくと分かりやすくなります。

モルト原酒とグレーン原酒

  • モルト原酒: 大麦麦芽(モルト)だけを原料に、単式蒸溜器(ポットスチル)で蒸溜した原酒。香りや味わいの個性が強く、蒸溜所ごとの違いがはっきり出ます
  • グレーン原酒: とうもろこしや小麦などの穀物を主な原料に、連続式蒸溜機で蒸溜した原酒。軽やかでおだやかな味わいです

サントリーは、個性の強いモルト原酒を「ラウド(声高な)スピリッツ」、おだやかなグレーン原酒を「サイレント(寡黙な)スピリッツ」と表現しています。

シングルモルト:ひとつの蒸溜所の個性

シングルモルトは、ひとつの蒸溜所でつくられたモルト原酒だけでつくるウイスキーです。その土地の水や気候、蒸溜所の造り方がそのまま味に表れるのが魅力です。山崎と白州はこのタイプです。

ブレンデッド:複数の原酒の調和

ブレンデッドは、複数のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしてつくるウイスキーです。個性の異なる原酒を組み合わせることで、ひとつの蒸溜所だけでは出せないバランスやなめらかさを生み出します。響はこのタイプです。

つまり、響は山崎と白州のモルト原酒を含むブレンデッドです。響を飲むと、山崎や白州と共通する要素を感じつつも、よりまろやかでまとまった印象を受けるのはこのためです。

3本の味わいの違い

響 JAPANESE HARMONY:華やかで、やわらかな調和

響は、1989年にサントリーの創業90周年を記念して誕生したブレンデッドのブランドです。山崎・白州蒸溜所でつくられた多彩なモルト原酒と、愛知県の知多蒸溜所でつくられたグレーン原酒などを組み合わせています。ノンエイジ(熟成年数の表記がないもの)の「響 JAPANESE HARMONY」は2015年に発売され、「日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技」を表現することをコンセプトにしています。

  • 香り: ローズやライチ、ほのかなローズマリーに、熟成した樽香と白檀
  • 味わい: 透明感のあるはちみつの甘さに、オレンジピール入りのチョコレート
  • 余韻: 繊細でやさしく、ほのかにミズナラ(日本のオーク)が香る

角の取れたやわらかな口当たりで、3本の中ではもっともクセが少なく、バランス型です。ボトルは二十四節気を表す24面カットで、越前和紙のラベルが使われています。

山崎:甘く華やかなシングルモルト

山崎蒸溜所(大阪府)は、日本で最初の本格的なモルトウイスキー蒸溜所です。ノンエイジの山崎は、ワイン樽で貯蔵したモルト原酒に、ミズナラ樽で貯蔵した原酒などを合わせてつくられています。

  • 香り: いちごやさくらんぼのような甘く華やかな香り
  • 味わい: 甘くなめらか。熟した果実とバニラ、ほのかなミズナラの香り
  • 余韻: やさしく、甘さと上品な樽香が続く

響と比べると、果実の甘さや樽の香りがよりはっきりしています。

白州:爽やかで軽快なシングルモルト

白州蒸溜所(山梨県)は、南アルプスのふもとの森に囲まれた「森の蒸溜所」です。白州は、軽くピート(麦芽の乾燥に使う泥炭。燻製のような香りのもと)を焚いた原酒を含む、さまざまなモルト原酒を合わせてつくられています。

  • 香り: 森の若葉のようなみずみずしさに、青りんごやミント、ほのかなスモーク
  • 味わい: 爽やかで軽快。やわらかな甘さと果実味に、軽いスモーク
  • 余韻: キレがよく、すっきりと消えていく

3本の中では唯一、ほのかなスモーキーさがあるのが白州の特徴です。ただし強い煙の香りではないので、スモーキーなウイスキーが初めての方でも試しやすいでしょう。

山崎と白州の2本をさらに詳しく比べたい方は、山崎と白州の違いの記事もご覧ください。

おすすめの飲み方の違い

飲み方響山崎白州
ストレート◎ やわらかく飲みやすい◎ 果実香と樽香をじっくり○
水割り◎ 食事にも合わせやすい◎○
ハイボール○ 上品な香りが崩れにくい◎ 華やかな香りが立つ◎ ミントを添えても

※◎はとくにおすすめ、○はおすすめの目安です(当サイトの見解)。

  • 響は、口当たりがやわらかいので、ストレートや水割りでゆっくり味わうのに向いています。白身魚の刺身や焼き物など、和食とも合わせやすい味わいです
  • 山崎は、どの飲み方でも華やかな香りが生きる万能タイプ。ハイボールにしても香りが失われにくいのが魅力です
  • 白州は、ハイボールで一番生きると言われます。サントリーは、ミントの葉を添えた「森香るハイボール」を提案しています

ハイボールに向くほかの銘柄を探したい方は、ジャパニーズウイスキーのハイボール向き銘柄もご覧ください。

参考価格

銘柄容量参考価格(税込)
響 JAPANESE HARMONY700ml約8,800円
山崎700ml約8,300円
白州700ml約8,300円

価格は2026年10月時点の参考価格(メーカー希望小売価格、税込)です。販売店や時期により異なります。どれも人気が高く、店頭や通販ではこれより高く売られていたり、品切れになっていたりすることがあります。

3本の希望小売価格は近く、価格よりも味わいの好みで選べる組み合わせです。

上位の銘柄もある

3本とも、熟成年数を表記した上位の銘柄があります。

  • 山崎12年: ノンエイジ品より甘さと厚みが増し、熟した果実やはちみつのような香りが際立つ
  • 白州12年: 酒齢12年以上のモルト原酒からつくられ、爽やかさに果実味とコクが加わる
  • 響21年: 酒齢21年以上のモルト原酒とグレーン原酒を厳選してブレンドした、響の長期熟成品

いずれもノンエイジ品よりストレートでゆっくり味わうのに向いた銘柄です。まずはノンエイジ品で好みの方向性をつかんでから、上位の銘柄に進むのもよいでしょう。

どれを選ぶ?迷ったときの目安

こんな方にはおすすめ
ウイスキーに慣れていない、クセの少ないものがいい響
ストレートや水割りでやわらかく味わいたい響
甘く華やかな香りが好き山崎
どの飲み方でも楽しめる1本がほしい山崎
すっきり爽やかな味が好き白州
ほのかなスモーキーさを試してみたい白州
食事と一緒にハイボールで飲みたい白州

迷ったら、バーで3本を少量ずつ頼んで飲み比べてみるのがおすすめです。「ひとつの蒸溜所の個性」と「ブレンドによる調和」の違いがよく分かります。ほかのジャパニーズウイスキーも見たい方は、ジャパニーズウイスキーのまとめページをご覧ください。

まとめ

  • 響: 山崎・白州のモルト原酒と知多のグレーン原酒などを合わせたブレンデッド。華やかでやわらかく、バランスがよい
  • 山崎: 山崎蒸溜所のモルト原酒だけでつくるシングルモルト。甘く華やかで、ミズナラ樽の香り
  • 白州: 白州蒸溜所のモルト原酒だけでつくるシングルモルト。爽やかで軽快、ほのかにスモーキー
  • 3本とも度数43%で、希望小売価格も近い。選ぶ基準は「調和」「華やかさ」「爽やかさ」のどれを求めるか

同じサントリーのウイスキーでも、シングルモルトとブレンデッドでは楽しみ方が違います。好みに合わせて選んでみてください。お酒は20歳になってから、ほどほどに楽しみましょう。