「バーボンとウイスキーって何が違うの?」とよく聞かれますが、答えはシンプルです。バーボンはウイスキーの一種です。りんごが果物の一種であるのと同じで、バーボンは「アメリカで造られる、ある条件を満たしたウイスキー」のことを指します。

この記事では、バーボンの定義と、スコッチやジャパニーズウイスキーとの違いを、原料・樽・熟成・味わいの4つの観点から解説します。

ウイスキーとバーボンの関係

ウイスキーは、大麦やトウモロコシ、ライ麦などの穀物を原料に、糖化・発酵・蒸溜し、木の樽で熟成させたお酒の総称です。造られる国や地域によって、それぞれルールがあります。

  • スコッチウイスキー:スコットランドで造られるウイスキー
  • アイリッシュウイスキー:アイルランドで造られるウイスキー
  • ジャパニーズウイスキー:日本で造られるウイスキー
  • アメリカンウイスキー:アメリカで造られるウイスキー
    • バーボン:アメリカンウイスキーのうち、トウモロコシを主原料とするなどの条件を満たすもの
    • テネシーウイスキー:テネシー州で造られ、熟成前に炭でろ過するもの

つまりバーボンは、「ウイスキー」の中の「アメリカンウイスキー」の中の、さらに一つのカテゴリーです。

バーボンの条件

バーボンは、アメリカの連邦規則で次のように定められています。

条件内容
産地アメリカで造られること
原料トウモロコシが51%以上
蒸溜蒸溜したときの度数が80%(160プルーフ)以下
樽内側を焦がした新しいオーク樽で熟成
樽詰め樽に詰めるときの度数が62.5%(125プルーフ)以下
瓶詰め度数40%以上

注目したいのは、熟成期間の最低年数がないことです。そのかわり、2年以上熟成させるなどの条件を満たしたものは「ストレートバーボン」と名乗ることができ、熟成が4年未満の場合はラベルに年数を書く必要があります。

スコッチ・ジャパニーズとの違い

バーボンスコッチジャパニーズ
産地アメリカスコットランド日本
主な原料トウモロコシ(51%以上)大麦麦芽(モルト)、穀物(グレーン)麦芽(必ず使う)、穀物
樽焦がした新樽のみオーク樽(700L以下)。使用済みの樽も使える木製樽(700L以下)。使用済みの樽も使える
最低熟成期間なし(ストレートは2年以上)3年以上3年以上
決まりの種類法律(連邦規則)法律(スコッチウイスキー規則)業界の自主基準(2021年)

ジャパニーズウイスキーの基準は、日本洋酒酒造組合が2021年に定めた自主基準です。日本国内で糖化・発酵・蒸溜し、700リットル以下の木製樽に詰めて日本国内で3年以上貯蔵すること、日本国内で瓶詰めし度数40%以上であることなどが定められています。

違い1:原料

バーボンはトウモロコシが主役です。トウモロコシ由来のやわらかな甘さがあり、ライ麦を加えるとスパイシーに、小麦を加えるとまろやかになります。一方、スコッチのシングルモルトは大麦麦芽だけで造られ、麦芽の香ばしさや、熟成による果実のような香りが中心になります。

違い2:樽

いちばん大きな違いが樽です。バーボンは内側を焦がした新しい樽しか使えません。新しい樽からは木の成分がたっぷり溶け出すため、バニラやキャラメルのような甘い香りと、濃い琥珀色が生まれます。

スコッチやジャパニーズでは、バーボンの熟成に一度使った「バーボン樽」や、シェリー酒を寝かせた「シェリー樽」など、使用済みの樽もよく使われます。新樽ほど木の香りが強く出ないぶん、原酒そのものの個性や、前に入っていたお酒の風味が生かされます。

違い3:熟成

スコッチとジャパニーズは3年以上の熟成が必要です。バーボンには最低年数がありませんが、新樽を使うため、短い期間でも色や香りがしっかりつきます。

違い4:味わい

  • バーボン:バニラ、キャラメル、トーストしたオークの甘く香ばしい味わい。スモーキーさはほとんどない
  • スコッチ:産地や蒸溜所によって幅広い。華やかでフルーティーなものから、ピート(泥炭)由来のスモーキーなものまで
  • ジャパニーズ:繊細でバランスがよく、華やかな香りのものが多い

代表的なバーボン

銘柄特徴
ジムビーム世界で最も売れているとされるバーボン。軽快ですっきり
メーカーズマークライ麦の代わりに小麦を使い、やわらかな甘さ。赤い封蝋が目印
フォアローゼズ10通りの原酒を合わせた、華やかで軽やかな味わい
バッファロートレースバニラやブラウンシュガーの甘さが豊かな、なめらかな1本
ワイルドターキー 8年8年熟成・度数50.5%の力強くスパイシーな味わい

なお、ジャックダニエルはバーボンとよく似た造りですが、熟成前にサトウカエデの炭でろ過する「テネシーウイスキー」です。詳しくはジャックダニエルとジムビームの違いで解説しています。

バーボンのおすすめの飲み方

  • ハイボール:甘い香りが炭酸で引き立ちます。食事にも合わせやすい定番の飲み方です
  • ロック:氷が溶けるにつれて、バニラやキャラメルの甘さがゆっくり開きます
  • カクテル:オールドファッションドやマンハッタンなど、バーボンをベースにした定番カクテルも多くあります

スコッチ・ジャパニーズと飲み比べるなら

バーボンの「新樽の甘さ」を実感するには、スコッチやジャパニーズと飲み比べるのがいちばんです。たとえば、バーボン樽で10年熟成させたスコッチのグレンモーレンジィ オリジナルや、ジャパニーズの山崎と並べてみると、バーボンの濃い甘さと、スコッチ・ジャパニーズの軽やかな果実香の違いがよく分かります。

ほかの銘柄はアメリカンウイスキー、スコッチウイスキー、ジャパニーズウイスキーのまとめページで紹介しています。

まとめ

バーボンはウイスキーの一種で、アメリカで造られ、トウモロコシを51%以上使い、内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させたものです。スコッチやジャパニーズとのいちばんの違いは「新樽しか使わない」ことで、そこからバニラやキャラメルのような甘く香ばしい味わいが生まれます。違いを知ったうえで飲み比べると、それぞれの個性がよりはっきり感じられるはずです。