コンビニやスーパーでもよく見かける、アメリカンウイスキーの2大定番「ジャックダニエル」と「ジムビーム」。どちらもハイボールやコーラ割りで親しまれていますが、実は**ジムビームは「バーボン」、ジャックダニエルは「テネシーウイスキー」**と、分類からして違うお酒です。
この記事では、2つの違いを定義・製法・味わい・飲み方の順に整理し、どちらを選べばよいかを紹介します。
ひと目でわかる違い
| ジャックダニエル ブラック(Old No.7) | ジムビーム | |
|---|---|---|
| 分類 | テネシーウイスキー | バーボン(ケンタッキー) |
| 産地 | テネシー州リンチバーグ | ケンタッキー州クレアモント |
| 特徴的な製法 | 熟成前にサトウカエデの炭でろ過(リンカーン・カウンティ・プロセス) | 内側を焦がした新樽で最低4年熟成 |
| 度数 | 40% | 40% |
| 味わい | まろやかで甘い。キャラメル、バナナのような香り | すっきり軽快。バニラとキャラメル、穀物の甘さ |
| 向いている飲み方 | ハイボール、コーラ割り、ロック | ハイボール、カクテル、ロック |
そもそも「バーボン」とは
バーボンは、アメリカの法律(連邦規則)で定義されたウイスキーです。主な条件は次のとおりです。
- アメリカで造られていること
- 原料の51%以上がトウモロコシ
- 蒸溜したときの度数が80%(160プルーフ)以下
- 内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させること(樽に詰めるときの度数は62.5%以下)
- 瓶詰めの度数が40%以上
「新しい樽」を使うのが大きなポイントです。焦がした新樽からはバニラやキャラメルのような甘い香りがしっかり移るため、バーボンは甘く香ばしい味わいになります。
「テネシーウイスキー」とは
テネシーウイスキーは、テネシー州で造られるアメリカンウイスキーです。2013年に州の法律で定義され、トウモロコシ51%以上、焦がした新しいオーク樽での熟成など、バーボンとよく似た条件に加えて、熟成前にサトウカエデ(シュガーメープル)の炭でろ過することが求められます。
このろ過工程は「リンカーン・カウンティ・プロセス」と呼ばれ、テネシーウイスキーの最大の特徴です。
つまり、テネシーウイスキーは「バーボンの条件に、炭でろ過する工程を加えたもの」とイメージすると分かりやすいでしょう。ジャックダニエルはバーボンとは名乗らず、テネシーウイスキーとして販売されています。
ジャックダニエルの特徴
ジャックダニエル ブラック(Old No.7)は、テネシー州ムーア郡リンチバーグのジャックダニエル蒸溜所で造られています。ジャスパー・ニュートン・「ジャック」・ダニエルが1866年に蒸溜所を登録したとされ、アメリカで最も古く登録された蒸溜所の一つです。
製法
- 原料の配合(マッシュビル)はトウモロコシ80%・大麦12%・ライ麦8%
- 蒸溜した原酒を、約3mの厚さに詰めたサトウカエデの炭に3〜5日かけて一滴ずつ通す
- その後、アメリカンホワイトオークの新樽で熟成させる
味わい
炭でろ過することで雑味が取り除かれ、まろやかで甘い口当たりになります。キャラメルやバニラに、焦がした樽とバナナのような甘い香り。トフィーとオークの風味に、ほのかなスパイスが続きます。
ジムビームの特徴
ジムビームは、ケンタッキー州クレアモントのジムビーム蒸溜所で造られるバーボンです。1795年のジェイコブ・ビームのレシピをもとにしており、ビーム家は7世代にわたってウイスキー造りに関わってきました。世界で最も売れているバーボンとされています。
製法
- トウモロコシを主体に、ライ麦と大麦麦芽を加えたマッシュビル
- 内側を焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽で最低4年熟成
味わい
バニラとキャラメル、トーストしたオーク、穀物の甘さ。中くらいのボディで、トフィーに軽いスパイスとほのかな柑橘が感じられます。余韻はすっきりと短めで、軽快で飲み飽きしないタイプです。
味わいの違いをまとめると
| ポイント | ジャックダニエル | ジムビーム |
|---|---|---|
| 甘さ | しっかり甘い | ほどよい甘さ |
| 口当たり | まろやかで丸い | すっきり軽快 |
| 香り | キャラメル、バナナ、焦がした樽 | バニラ、キャラメル、穀物 |
| 余韻 | 穏やかで甘さが続く | 短めでキレがよい |
どちらもスモーキーさはほとんどなく、ウイスキーに慣れていない人でも飲みやすい味わいです。違いを一言でいえば、**ジャックダニエルは「まろやかで甘い」、ジムビームは「軽快ですっきり」**です。
おすすめの飲み方
ハイボール
どちらもハイボールの定番です。ジャックダニエルは甘い香りが立ち、ジムビームはキレのよい爽快な1杯になります。ウイスキー1に対して炭酸3〜4くらいを目安に、氷をたっぷり入れたグラスで作ってみてください。
コーラ割り
ジャックダニエルをコーラで割る「ジャックコーク」は、海外でもよく知られた飲み方です。ジャックダニエルのまろやかな甘さとコーラの相性は抜群です。
カクテル
ジムビームはクセが少なく価格も手に取りやすいので、ハイボールのほか、ジンジャーエール割りやカクテルのベースにも気軽に使えます。
ロック
ストレートが強すぎると感じる方は、ロックから試すのがおすすめです。氷が溶けるにつれて甘さが開き、味の変化を楽しめます。
どちらを選ぶ?好み別のおすすめ
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| 甘くまろやかな味が好き | ジャックダニエル |
| コーラ割りで飲みたい | ジャックダニエル |
| すっきり軽いハイボールが好き | ジムビーム |
| 食事と合わせて気軽に飲みたい | ジムビーム |
| カクテルのベースに使いたい | ジムビーム |
もう一歩進むなら
2本を飲み比べて「もっと甘く濃いものがいい」と感じたら、ライ麦の代わりに小麦を使った、やわらかな甘さのメーカーズマークがおすすめです。「もっと力強いものがいい」なら、8年熟成・度数50.5%のワイルドターキー 8年を試してみてください。
ほかのアメリカンウイスキーはアメリカンウイスキーのまとめページで、ハイボール向きの銘柄はハイボールにおすすめのウイスキーで紹介しています。
まとめ
ジャックダニエルとジムビームは、どちらもアメリカンウイスキーの定番ですが、ジムビームはケンタッキーのバーボン、ジャックダニエルは熟成前にサトウカエデの炭でろ過するテネシーウイスキーです。味わいは、ジャックダニエルがまろやかで甘く、ジムビームは軽快ですっきり。コーラ割りや甘い味が好きならジャックダニエル、すっきりしたハイボールや食事と合わせるならジムビームを選ぶとよいでしょう。